問う力を高める『対等性』

「人との関わりにおいて、あらゆる場面で対等性を大切にしている」…私はこれまで、子育て、街の中でのコミュニティ、職場仲間、取引先などのあらゆる人間関係が生じる場面で、常に「対等性」を意識してきました。

 

この「対等性」がいかに重要であるかを、モノローグ的にしたためました。これにはまず、自分のなりわいがナニであるのか…これから述べなければなりません。

お時間のない方は、「対等性が生み出すもの」という見出し段落のところからお読みいただいても結構かと思います。


私のなりわい

私は日頃、多種多様な事業者さんに向けて、以下のような「体質改善」を行っています。

  • 他社との価格競争から脱却した事業運営への体質改善
  • スタッフに有機的なモチベーションが育まれる事業運営となる体質改善

体質を改善すると、お客様・仕入先・社内スタッフなど、さまざまな利害関係者との風通しがとても良くなり、「価値づくり」のクオリティが高まり続ける「文化」が生まれます。


その結果、出逢いたい顧客と出逢えるようになるような運営の「軸」がブレない体質に進化していきます。

その「軸」がブレない体質の実現に向けて、弊社は「頑張り方を間違えなくなる」ための『空気づくり』をデザインしています。 

空気をデザインする

「空気づくりをデザイン?」

「お店や会社に良い空気をもたらす仕事?」

…余計に解りにくいですね。

そのため、よく「要は…経営コンサルタントですか?」と言われることもあります。

 

その否定はしませんが…弊社では、世間一般的に活躍されている経営コンサルタントさんのように、クライアント事業者さんに「教える」「指南する」ということを一切しておりません。

事業者の体力を強化するための何かしらの道具を提供、弱点を補強するための施策、即効性あるメソッドなど、テクニカルな「やり方」は、ほとんど提供していないのです。

  

弊社では、「やり方」よりも、事業者自身の運営の「あり方」に向き合っています。

このことを医学で喩えるなら…西洋医学的なものより、どちらかというと東洋医学的なアプローチになるかと思います。

 

痛みに直接効く対処方法を施す西洋医学的なアプローチに対し、根本的にどこに問題があり、どういう「体質改善」をすれば、その後も歩む道を間違えなくなるのかという東洋医学的なアプローチで寄り添いっています。

歩み方を間違えないための「あり方」を、事業者と共に見出して、事業者の先にいる顧客からの「応え」は、必ず次への糧に活かす…そうしたことの地道な繰り返しです。


それが、前述の「頑張り方を間違えないために空気づくりをデザインしている」ということになります。

わかりやすくて目に見える有形資産ではなく、その会社の文化形成という目には見えない無形資産のブラッシュアップにより、価値創造力を高めていく仕事です。

 

では、具体的にどういう要素を用いて、『空気づくり』に勤しんでいるのでしょうか?

空気づくりの要素

昔から、『人間関係の質が事業運営の命運を握っている』と、よく言われています。

 

私が心掛けていることは、「頑張り方を間違えない」ために、事業主ならびに社内スタッフなどの関係当事者全員の「対話力」が高まる環境を設計することです。

これが「空気づくりをデザインする」というものです。

 

その「対話力」は、事業主がご自身との対話のみならず、上司と部下、社内でも立ち位置が違う部署間、そして、お客様や仕入れ取引先さんなど…全ての利害関係者との関係性において必要になってきます。


ここからは弊社独自の手段ということになろうかと思いますが…

弊社は、事業者さんの「対話力」を高めるために、以下の三つのチカラを高めています。

  • 社内外両面に向けた「広報」のチカラを高める
  • 未来の意思決定に活きる「管理会計」を活かす
  • 伝えるのではなく伝わるための「デザインの力」を取り入れる

出逢いたい顧客と出逢えるようになるような事業運営の「軸」、価値創造力が高まり続ける事業運営の「軸」がブレない体質に進化させるために、上記三つをツールとして用いています。

「広報」は、自分達の事業目的は何かというブレない「軸」を宿すもの。

「管理会計」は、お客様はどれだけ価値を認めていただけて、成功も失敗も次への糧として、未来に向けた意思決定をどうするべきかという「軸」を正すもの。

「デザイン」は、伝え方の工夫により、伝わった人に意味のある行動変容をもたらすために「軸」を磨き上手く回転させるもの。

 

この三つの要素をループさせ、しかもその回転数を上げながらも、どう整えていくべきかを事業者と一緒に考え抜き、そして必ず見出し、次への環境づくりに活かします。


その「整え」を施す際、俯瞰的かつ客観的…ならびに、事業目的に大いに共感しているものの、事業当事者ではない弊社のような第三者の存在が関与するからこそ、事業者サイドの「独りよがり」…つまり頑張り方を間違えるということを防ぎます。

事業経営に長けておられる方なら、もうお見通しだと思いますが…。

要は、ここまで述べていることは「コーポレートアイデンティティ」の明確化の重要性を説いています。

 

ところが、いわゆるこの「CI戦略」という分野は、広告代理店さんや企画会社さんの仕事という認識が一般的ですが、弊社が行う仕事は、対外的イメージ戦略や、ブランド戦略を練ることではありません。

「事業アイデンティティの明確化」は、「対話力」の向上につながり、人間関係の質が高まるので、必ず事業者の価値創造力が向上します。

弊社は、「管理会計」を活かす要素も取り入れ、事業当事者の「対話力」を高める「空気」を創り上げる…ブレない事業運営となるための「文化」をデザインする仕事です。

もちろん、その成果が出るには、かなりの時間を要します。

西洋医学のような即効性の処方箋ではなく、東洋医学の漢方薬的なものでの体質改善です。

「費用対効果」で示すものではなく、「文化形成」という数字に表しにくい「無形資産」のブラッシュアップです。

 

でも、事業者の価値創造力を高め続ける上で、この「事業文化」という無形資産は、とてつもない底支えとなります。

それどころか、同業他社との価格競争から脱却して、お客様から細く長く愛される事業体質とするには、不可欠の要素となります。


さて、このモノローグの本題に入りましょう。

この事業運営における「対話力」の向上で、私がもっとも大切にしている「空気」があります。

それが「対話」を必要とする際に、必ず「対等性」が生まれる空気をつくるということです。

対等性が生み出すもの

前述までに弊社は、事業者に何かしらの道具、施策、即効性がテクニカルな「やり方」は提供せず、「あり方」を整えるのが仕事ということをお伝えしました。

なぜなら、やり方の前にあり方が整っていなければ「対話力」は向上しないからです。

 

経営者から部下への「指示命令」的な会話は、対話とは言いません。

それは、納入仕入れ業者に対しても、事実上同じようなコミュニケーションが漂います。

逆に、お客様に対してはどうでしょう?

手の平を返すように立場が逆転して、媚びへつらう姿勢となり、納品先上得意には迎合していく…そんな雰囲気は身に覚えがありませんか?

その状況で、相互に「本質的な価値が認められる」…そのような関係性が生まれるでしょうか?

それはごもっとも!と…いろんな立ち位置の人に「意識改革」を植え付ける具体策として、各種研修や勉強会を取り入れる企業はたくさんあります。

 

それは瞬間的には有効であっても、慢性的腰痛持ちの方のように、多忙な業務をこなしていくうちに、いつの間にか骨盤の歪みが出て、結局、元の木阿弥というようなことばかりです。

挙句の果てに、「研修費が無駄だった」という矛先が、「うちの社員が頼りない」「講師が駄目だった」というところに向けられるというのは、よくある話です。


これは、ハッキリ言って、「頑張り方」を間違えているだけです。

では、一体何が欠けているのか…「対等性」が欠けています。

 

「対等性」が生まれる環境設定がないまま「会話力」を高めても、それは共に未来を見据えた価値づくりに向けた「対話力」にはつながりません。

弊社では、ご依頼事業者において、その「対等性」を生み出すためには、どういうところからアプローチをすれば良いのか…それを事業主と何度も話し合うところから仕事をスタートしています。

 

なお、ご依頼主の業種、業態、歴史、それまでの文化、思考によって、具体策が同じところなど一つもありません。

その「対等性」が生まれる要素がナニなのか…その明確な「正解」など無いからです。

だからこそ、いろんな仮説を立てて実践を重ねるのですが、その仮説立案が明確になるまで、多大な時間を要する場合もあり、それが事業者によってさまざまです。

子育てに置き換える

「対等性が生まれるとどうなるのか」が、今一つピンと来ない方は、親子関係に置き換えて考えると、もう少しイメージしやすいでしょうか…。

私が個人的に敬愛する方に、4人の子育てをしておられるお父さんがおられます。

食品メーカーさんにお勤めの方なのですが、彼の子育てぶりが、いつも4人のお子さん全てと「対等」に向き合う様子が手に取るように解ります。

 

彼は、「親が知っている世界」や、「親が辿り着いたところ」を子供に伝えるというより、自分も視たことも聴いたこともないところに一緒に辿り着こうとする姿勢が、いつも彼が投稿しているFacebookから伝わってきます。

そこにはいつも、お子さんとの「対等性」を感じるのです。


つまり、自分も初めてその場に辿り着いてみて、その場の偶発性の中にある景色や起きる事象に、子供と一緒になっての気づきがあったり、感動があったりします。

4人のお子さんも、そういう対等性を感じるからこそ、何の遠慮もなくそれぞれの「個性」が滲み出てきているので、彼はそこに生まれる「対話」から、お子さん達の個性をしっかりと受け取っています。

 

子供に勉強させるという姿勢というより、親も一緒に探求して、共に成長する姿勢です。

 

しかも、彼は子育ての目的が常に明確です。

もちろん、当人にしてみれば、常に不安なこともあるでしょうが…教育の目的は、子供の自律性が育まれる人間形成であることを見据えており、進学や有名企業への就職がゴールにはなっていません。

さらに、その親も一緒になっての「探究」プロセスは、カメラやSNSの使い方も上手です。

SNSで人に見られる適度の緊張感も活用し、マメにアウトプットすることで、ご自身の「良い整え」に活かしています。

さらに、数年前のご自身のアウトプットも、よく振り返りとして上手く活用されています。

 

要するに…対等性を自然体で設けて、さらに可視化することで、ご自身のアイデンティティをさらに明確なものにしながら、無意識のうちに「共に成長する」環境づくりを自ら課しているという感じですね。


ここに、子供が自ら幸せになるための「自律」と「自立」の芽生えだけでなく、我が子を取り巻く環境から自らも成長する「価値共創」のスタンスが生まれます。

 

その根本の一歩目となっているものが、「対等性」です。

親の辿ってきた轍(わだち)を子供に押し付ける・親が未来の答えを決めつけるのではなく、「対等性」を大事にし続けることにより、「素敵な問い」をお子さんと一緒に考え抜きたくなる探究を続けています。

つまり、「対等性」は、未来へのクリエイティブ性に活きる「問う」チカラを産むのです。

 

それをブラッシュアップし続けなければならないのは、事業主の仕事も同じです。

 

事業主本人だけでなく、事業をとりまく利害関係者全てとの関係性でも「対等性」が生まれると、事業者の独りよがりはなくなり、出逢いたい顧客からも細く長く愛される価値づくり体質の「軸」につながります。


まとめ

  • 未来に活きる道筋を明確にする社内外への「広報」
  • 会計を未来への意思決定に活かすようにする「管理会計」
  • 意味あることを伝わるものに変化させる「デザイン」

この三つの要素を融合させ、またループの回転数を上げて、つねに俯瞰的に整える…。

「ワクワクが生まれるように心をくすぐり、意味ある行動変容が高まる『文化』を形成する仕事」においては、私は、以下の二つの業務経験が今に活きています。

一つは、脱サラ後に投資事業会社を友人と立ち上げた際に、私が担っていた「広報」業務の経験。

 

もう一つは、社会人として初めに勤めた会社…オリックス株式会社でお世話になった時のファイナンスリースという「事実上の無担保金融」の経験。

 

「広報」も「無担保金融」も、共通している点が、「過去の分析よりも、未来を見抜く力を養わないと判断を誤る」というものでした。

これらの実践経験は、間違いなく今に活きています。


両社とも、かけがえのない経験、嬉しかったこともありますが、正直苦しんだことの方が多いのが正直なところです。

そうした中、自分がこれまで働いてきたいずれの環境でも、常に「対等性」というとてつもない重要な要素が、周りの方々のおかげで存在していたのです。

以前まではそれがあたりまえだと思っていましたが、その後、一般的なお店や企業ではそうした「対等性」が生まれる文化が生まれていないという現実もよく判ってきました。

もう、カリスマ的経営者によるヒエラルキーが導く価値づくりの時代ではありません。

 

未来に活きる「広報」×「管理会計」×「デザイン」を活かし、共に歩みたいという事業者がおられたら、お気軽にお問い合せください。

 

なお、この7~8年、私はこの「空気づくり」については、個人事業主や小規模事業者ほど、早めに効果が表れることも実感してきました。


なぜなら、大手企業に比べて、「軌道修正のフットワーク」がとても良いからです。

先に述べたように、実践の回転率を上げれば上げるほど、マーケットからのさまざまな「応え」も得られることもありますし…何よりも意思決定が速い。

 

もちろん、従業員がたくさんおられる事業者さんでも、経営者ご自身が「社員の意識を変えたければ、まずは自分自身から」という自覚がおありなら、いつでもお問い合わせください。





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